春風の、甘い水の匂い。
ういは…この匂いをかぐと心が躍る。知らず足元がステップをふむみたい
泣きたいほど、優しい匂いだわ。
空を見上げて、星を探したけれど。街の中だと空が狭くて。
だから、屋上に行きたくなる。
ういは、広い空を見上げるのは好きよ。
なんだか、自分がとても他愛ない存在に思えるもの。体の中で、ひどく重かったものすら…なんだかちっぽけに思えるの。
神薙ぎ使いは風呼びだから、空に手を伸ばすのよ。
私はここよって。ここにいるのよって。
ふわり抱き上げてくれるような風なんて、ありはしないの知ってるけど(もう子供じゃないもの)
―――明日は戦争だから。
たくさんぶちのめして、殺さなきゃ。
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