………デモノイドのことを思って、また泣くのは嫌なの。

　ういが、嫌なの。

　わかってる。やらなかったことを、今更嘆くのはいけないことだし
　……とにかく、わからないを盾にして何もしないのは、なんていえばいいの…

　よくない、よりももっと悪いことだわ。

　

　でも、あの日から。
　戦争にいったって、報告書を読み返したってデモノイドをみるたびに涙が出るのよ！

　どうしたって、涙が出るの…！
　

　……あの時、わからないなりにも。私も手を伸ばしていたらとか。
　もしかしたら、かける声の数があと一人多かったらとか

　もしもとか、でもとかだってとか！
　子供みたいにあとからいうのは大嫌いだけど！
　こんな風に考えるだけで、ほら涙が出るの！

　もう「もしかしたら」と思うのは嫌だし、泣くのもいやだわ。
　
　泣くのなんかだいっキライだわ！！


　…予約の人数が多い？だったら運命を使うわ
　運命使ったっていいわ。ういにはそれだけの価値があることよ。

　次は助ける。

　絶対助ける。

　でないと、ういはまた。わからないまま泣くことになる。
　今度は助けて、ひとつわかってみせるの。