『　トムピリピは二軒おうちを持っている　お城のような立派なおうち　』





　トムピリピはウソをついたのではないと思った。
　トムピリピの言葉は、魔法だったの

　みんなをわくわくさせる、魔法を使っていたの

　……戦いの最中は、なんだか少し哀しそうだって言われました。

　哀しいのかな。

　今回のお話については…追いかけてくる子供たちが『かわいそう』に思えなかっただけなのもあるかな
　そう。哀れと、思えなかったの

　




　ういは、羅刹に育てられた。
　闇堕ちはしてない。したことない。
　内に潜むダークネスのせいでもなんでもなく、生身のまま。ヒトの心を保ったまま、羅刹の世界で生きていた。
　……だから、時々。自分がふわふわとあいまいな場所に漂ってる気がする。
　ヒトとしてシャクメツしてるのか、羅刹の癖にヒトのふりをしてるのか。
　私は世界の地軸を見失ってくらくらと酔っぱらうのです。そしてそれを必死に隠してみるけれど。笑ってはしゃいでごまかしてみるけど。

　……どうしたら、全部上手にできるの。