『 むかし
そむかれて 狂った姫はとり乱し
叫びつづけて その山道をのぼりつめ
そこに ばったりたおれたのだ 』
そこで 姫は一夜のうちに沼になったのだという。
近寄れば取り縋り、決して離さない。そんな沼になったのだという。
アルパカから、ギャップがありすぎるけど
優先度がたまってすぐに入れたのは幸運だったと思う
ひぃさまだと、呼びかけるけれど
分は、わきまえているの。姫だなんて、自分を言うのはまちがっているわ。
分をわきまえぬ虚飾は、醜いと…鬼は言った。
どちらにせよ姫であろうと獣であろうと、鬼であろうと
黄泉路へ導くならいずれも同じことだから、名乗りに気をとられはしないけれど
「めいろ、こうせん、まいれまいれ
みょうほう、ごくしの、まいぎぬの
おどり、おどらせ…」
(……違えるな。お前は人ではない、女ではない。――ぞ)
キリリ、爪を噛んだら。破れて血が出た。
PR