さみしい、な。
そんな風に、広く。誰もいなくなってしまった家に、独りでいると。自分が鈴になった気がするのです。
私が動く時だけ、家が音を立てる。
広い入れ物の中に、一人。立って歩けば、リンリンと鳴る。
でも、寂しさとか悲しさとかは。けっこう慣れてる。
そんなの、私だけでもないと思う。みんな、何がしか、そんな寂しさを抱いて生きているのだから、ういだけ嘆くのはずるいことだ。
だから平気。
うれしいことも、にぎやかなことも。楽しいことも大好きだけど。
寂しくて、独りぼっちにも慣れているのよ。
諦めるのも、実は得意よ。しかたがないこと、はいっぱいあるわ。
…それを抱いて、生きていくことが。不幸だとか、みじめだとかは思っていない
* * *
そんな夢を見て目がさめた。
いつものこと過ぎて何にも気にしなかった。おなかがぐーって鳴っただけだった。
部屋を出たら、食堂にははやおきな人たちがいて。笑顔をくれた。
なんだか、戦争が終わって疲れているの。
とっても、疲れちゃったのです
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