…ハムリンの笛吹き男のようだわ。
…会うたびに、不吉の音を奏でて私たちの仲間を一人ずつどこか遠くへと連れ去っていくのよ。
くやしい。
馬鹿みたいな女。
間延びした口調で、馬鹿にした態度に馬鹿にした声。
だけど強い。ぜんぜん強い。
くやしい。
最初の、鍵を開ける瞬間の。塵殺領域の名前のまま、人を粉みじんに切り裂いて。
あぁ…血煙なんてはじめてみたわ。
……怖かった。
いっぱい、殺されるのを、見たわ。
目の前で、一緒にいった仲間の一人が闇堕ちしたわ。
心の底から、あいつが大嫌いだと思ったわ!!
次は、そうね。あの臙脂の。おぞましいマフラーが血に染まるより前に、ぶん殴ってやるの。
PR