薄汚れた着物を着た小さな少女は、現れた大人たちを見て恐怖に引きつった眼差しを向けた。

　痩せ細り、歩くこともままならないその身体が。どれだけの間、放置されていたかを物語る。
　けれど少女は、ここに現れた見知らぬものたちに向かって必死に威嚇し。もはや声にすらなっていない叫びを上げて、連れて行かれることに抵抗した。

　泣き叫びながら誰かの名前を呼ぶ。

　それが、ヒトではないものの名前であることを。そのときの彼女は知らなかった。



　

　……言いマチガエだと思ったけどあってた（何

　それは置いておいても、雪が降る。

　でもべちゃべちゃ。
　踏むと足の形でミズタマリ。

　…これはこれで面白いけど、私が見たいのはもっともっとさらさらの雪なの。

　まぁ、旭川にふゆしょーぐん退治に行くから、それはそっちで遊ぶのです



　

　カミツレ。
　カモミール。

　花言葉は、『苦難の中の力』


　

　『　トムピリピは二軒おうちを持っている　お城のような立派なおうち　』





　トムピリピはウソをついたのではないと思った。
　トムピリピの言葉は、魔法だったの

　みんなをわくわくさせる、魔法を使っていたの

　自分の中の辞書！

　いい考えだと思ったの。

　日記みたいに、辞書みたいに。白いノートを文字で埋めていくのって、なんだかステキな気がしたの！