無事に、荷福ちゃんを助けて。
ういは、泣くのなんか大っキライといったくせに。結局、帰ってくるまでべそべそ泣きつづけたけど。
でも、それでも
助けられなかったときよりも、ずっと気分はよかった。
* * *
学園に保護された荷福ちゃんは、翌日。事務室でいろいろな説明を受けていた。
ういは心配で、後を追っかけて。お話が終わるまで、事務室の扉の前でしゃがんで待っていた。
お日様がずいぶん傾くぐらいの時間がかかったあと、たくさんの書類を抱えた荷福ちゃんがごく静かに出てきから。立ち上がったういは、思わずぎゅっと助けた時みたいに手を握って顔を覗き込む。
「転校することになったの」
「そか。ええと、うん。大丈夫。待ってるよっ」
微かに笑った荷福ちゃんは、そのまま少し考えて。
「……家も、出ようと思います。何かあった時、両親や妹を巻き込むのは嫌だから」
言って、ういを見た。
「どこか、寮とか…知りません?」
…………。