「ねぇ、マーニ。私、夢を見ていたのよ。私、普通の女の子で。知らない、昼の世界で暮らしていたわ。夜は眠るの。空に上って、照らさないでいいの。
そこでも私は、貴方の自転車の後ろに乗って、そしてね。…学校から帰るの。
そう、二人とも、『学校』に通っているの。いつも一緒で、席も隣なの。素敵でしょ?」
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このイラストは、株式会社トミーウォーカーの運営する『サイキックハーツ』の世界観を基に作成されたものです。イラストの使用権は作品を発注したPL(ういの背後さんと、スミケイの背後さん)に、著作権は各絵師様に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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月は毎晩、マーニ という少年の自転車に乗って、空を上っていきます。
月は、まだ若い女の子なので自分では輝けません。お日様に照らされて。そして周囲が暗くなって、やっと。その菜の花色のドレス姿を輝かせることができるのです。
けれど、お日様の光は熱くてまぶしくて。
月の女の子は時々泣いてしまうのです。
「マーニ、お日様をとって。 おねがい。 照らされていると、眩しくてとってもつらいの」
白い顔を覆って、月が泣いてしまうと。その光も細く細くなります。
か細い月が震えながら泣くと、マーニも心が痛くなってしまうのです。
マーニにとって、この月の女の子は。とてもとても大切な女の子でした。
月の女の子が泣くなら、この空を飛べる自転車でどこか遠く。お日様の光の届かない場所へ行ってもいいと思うほどでした。
けれどマーニは少し考えると首をふるのです。
「できない。太陽を取ったら困るだろ?」
「どうして?」
月の女の子は、ぽろぽろと涙をこぼしながらマーニを見ました。
お日様がとても大切なことは、月の女の子にもわかっていました。けれど、熱くてまぶしくて、彼女は辛くてしかたなかったのです。
それに、マーニにだけは。お日様より自分が大切だ、と言ってほしかったのです。
「だって、太陽を取ったら、お前がいなくなっちゃうから」
マーニはきっぱり言いました。
夜を照らすことは大事なお仕事でした。
けれど何より、お日様にずっと照らされないでいれば。この月の女の子は白く白く、凍りついて動けなくなってしまうでしょう。
マーニは、月の女の子が泣くことも笑うこともできず、凍り付いてしまうのは嫌でした。
びっくりして泣き止んだ月の女の子の顔は、ぼぅっと白く光って見えました。
マーニはそっと、女の子の手をとると優しく引き寄せ、寄り添うように抱きしめました。月の女の子はほんの少し冷たくて、ほんの少し温かでした。
『大切なのは、君が照らされていて、君が照らしている ということなんだよ』
マーニは、何度も繰り返した魔法の言葉を月の女の子に聞かせました。
そしてコツリ、おでこを合わせて。
「俺は、お前に照らされてると思ったし、俺もお前を照らしてると思う…多分な!」
ちょっとだけ乱暴に言って、マーニは照れくさそうに笑うのです。そして、月の女の子は泣くのをやめてはにかみます。
すると、か細かった月の女の子はまたほのかに光と笑顔を取り戻すのでした。
空を見ると、太陽を乗せた女の子「ソル」が、山の端っこにかかっていました。そろそろ休憩の時間は終わりです。
ハンドルを握り、マーニが自転車を起こします。そして、山の向こう。お日様が山に隠されて照らさなくなる一瞬。
月はマーニの頬に泡のようなキスをして。
そして二人は、今日も空へと漕ぎ出すのです
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というわけで、かんせーい!
ういがお月様の女の子!スミケイがマーニなの!
ふふーv
ういのマーニはステキでしょう!(えへへーv
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